新着情報一覧Topics

第4章「怪物たちの死闘」|11:〈セイレーン〉遂に動く

2015年08月31日

先読み情報
エネミーズ/1996 1

VIEW:三原一也 
SHEET:1-4-011
DATE:1996/08/13 TUE 16:28 
PLACE:塔 

不動の〈セイレーン〉が遂に動く。そして未知なる力=ノヴァを発揮すること


〈セイレーン〉はなにか底知れぬ力を秘めている。
 一也はそう確信していた。人としての第六感のようなものなのか、〈ドラゴニュート〉の超感覚が教えているのか……それはわからなかったが。

「三原さんっ!」

〈バグ〉が叫んだ。

「〈セイレーン〉の能力値がっ!」
「どうしたんだよ?」まず反応したのは波岡だった。「能力値がなんだってんだ」
「表示が消えて!」〈バグ〉が再び叫んだ。その声にノイズが混じって聞きとりにくくなっている。「違う! 桁が! 桁がどんどん増えて!」
「桁が?」

 一也も思わず叫んだ。彼の脳裏に、以前、『エネミーズ』否、まだ『ドラゴライザー』という仮タイトルだった頃、陶子と交わした会話の記憶が甦った。

「……ノヴァ化、だ。それも……ゲームに……いや、現実に実装してるのか?」

 一也の呼びかけに、陶子は冴子の顔で微笑んで応えた。

「そう。ゲームではね、どう使ったらいいものか、最後まで悩んでたけど……ゲームではともかく、現実では使い勝手がいいシステムだったの」

 気づけば、周囲の空気が焦げるように熱くなっていた。そして、その中心には〈セイレーン〉がいた。作りもののように表情のなかったはずの彼女の顔が、苦しそうに歪んでいた。

「システムは入れていたけど、本当にそれが走るかどうかはわからなかった。でも、〈セイレーン〉は……瀬田椿さんは、ご主人とお義母さんを手にかけて……その時からもう、後戻りできなくなっていた。ノヴァ化に向かって進んでいた」
「それだって……そのノヴァ化だって、陶子! おまえが考えてたシステムだろう!」
「なに? ノヴァ化ってなんなの!」

 めぐみが不安そうに声を震わせた。

「めぐみちゃん、それに波岡さん。ふたりとも……できるなら、変身してくれ。そうしないと……巻き込まれて死ぬかもしれない」

 一也はそう言った。

「あ? なんだよ? なに言ってるんだよ、三原君はさぁ……」
「早く!」

 問答無用の一也の迫力に、波岡は黙り込んだ。

「波岡さん! それにめぐみちゃんも! とにかく変身してくれ!」

 一也に再び促され、波岡とめぐみは不満げな顔で視線を交わした。だが結局、ふたりはうなずき、それぞれ変身した。
 ──〈ケンタウロス〉と〈フェンリル〉に。
 そして、それと同時に、〈セイレーン〉の肉体に変化が起こった。

≪前へ 先読み一覧へ 次へ≫



新着情報一覧へ戻る

注目シリーズPick Up Series

新着情報Topics

試し読み月間ランキングRanking

  • 第1位

    盾の勇者の成り上がり 1  アネコユサギ

  • 第2位

    駆除人 1 ~ツナギを着た転生者~ 花黒子

  • 第3位

    盾の勇者の成り上がり 2  アネコユサギ

  • 第4位

    二度目の勇者は復讐の道を嗤い歩む 1 ~裏切り王女~ 木塚ネロ

  • 第5位

    二度目の勇者は復讐の道を嗤い歩む 2 ~夢狂いの魔術師~ 木塚ネロ

  • 第6位

    盾の勇者の成り上がり 13  アネコユサギ

  • 第7位

    盾の勇者の成り上がり 19  アネコユサギ

  • 第8位

    盾の勇者の成り上がり 3  アネコユサギ

  • 第9位

    アラフォー賢者の異世界生活日記 1  寿安清

  • 第10位

    盾の勇者の成り上がり 4  アネコユサギ

編集部ツイートTwitter