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第4章「怪物たちの死闘」|30:分岐

2015年09月19日

先読み情報
エネミーズ/1996 1

VIEW:三原一也 
SHEET:1-4-030(18)
DATE:1996/08/13 TUE 17:15 
PLACE:荒野 

ノヴァ化した〈セイレーン〉は〈フェンリル〉に牙を向ける。だが……


〈セイレーン〉の突進を〈フェンリル〉は大きく跳躍してかわした。そして〈セイレーン〉から十分な距離をとった。
 ──しかし。
〈セイレーン〉はその巨体を宙に躍る〈フェンリル〉に向けた。彼女の口が大きく開くと同時に、その周囲の空気……否、空間が歪んだ。

 ×    ×    ×

〈セイレーン〉の衝撃波。
 それを察した瞬間、〈バグ〉に抱えられていた一也は、殴られたようなショックを受けた。

 ──ダメだ。衝撃波……それを喰らって彼女は……地面に叩き落とされて……〈セイレーン〉に食いつかれて殺されるんだ!

 一也の脳裏には、まだ見ていないはずの数秒後の光景、〈セイレーン〉の衝撃波に叩き落とされる〈フェンリル〉の姿が確かに見えていた。
 だが……その数秒後の未来は来なかった。
 一也を抱えたまま〈バグ〉が突進した。彼はそのまま空中で〈フェンリル〉に体当たりすると、彼女の身体を弾き飛ばした。放たれた衝撃波は、彼らのぎりぎりを掠めただけに終わった。
〈フェンリル〉は回転して体勢を整え、地面に降り立った。〈バグ〉もその傍らに着地した。

「……やるじゃん。ありがとう」

 傍らに着地した〈バグ〉に、〈フェンリル〉は牙を剥いた。怪物になっている今の彼女にとって、それは、笑った、という表現だった。

「いや……ギリギリで……咄嗟のことだったから、ホント、うまく行くとは思わなかった……」

〈バグ〉はそう口の触手を震わせた。

「山城君、来るぞ!」

 一也は叫んだ。
 彼らめがけて、〈セイレーン〉が突進してきたのだ。

「手間かけさせんなよ!」

 声とともに〈ケンタウロス〉が駆けてきた。その鉄の腕で〈フェンリル〉、そして〈バグ〉と一也を拾い上げると、勢いを増して再び走り出した。

「どこ行くの? おじさん!」

〈フェンリル〉の問いかけに、

「逃げ回るんだ! とにかく! そうすりゃあ、なんとかなる! もう殺されずに済むはずだ!」

 その〈ケンタウロス〉の言葉、そしてさっきの〈フェンリル〉と〈バグ〉のやりとり……一也は確信していた。

「みんな……みんなも……知ってるのか……この続きを……みんなが殺されていくのを……」

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